これは何のためのもの?
茶畑のなかに、ヌゥッと突っ立っている、何本もの電信柱。
てっぺんにはファンがついています。 茶畑の巨大な扇風機です。
いったい何のためのの扇風機なのでしょう。
1、真夏の暑さからお茶を守るために、夏の日中は風を送っている
2、霜が降りないために、お茶に風を送っている
3、夏の草取り作業の人の為に、風を送っている
4、地下を走るモグラがお茶の木の根っこを痛めないように、扇風 機を回して地下に振動を与えて、モグラを撃退するため
どれも、正解のような気がしてきますが、答えは2です。
霜に春の新芽がやられないように、扇風機を回します。
防霜ファン(ボウソウファン)という名前です。
冬の朝、外を見ると、うっすらと白い霜が地面や植木、屋根に降りているのを見かけると思いますが、この四月にも霜はたまに降ります。
新芽のような、ダメージの受けやすい柔らかい葉に霜が降りないようにするためのものです。 風を送ると霜が降りないそうです。
この時期の霜注意報に敏感なのはお茶農家と野菜農家です。
野菜ももう少ししたら、夏野菜を畑に植える時期です。大事に育てた夏野菜の苗を畑に植えたあと、5月10日頃までは、霜注意報という言葉に敏感です。 霜が降りないように、夜が明ける前から畑で大きな焚き火をするという農家の話も聞いたことがあります。
色川でも何年か前に5月に入ってから霜が降りたことがあるようで、これから新芽がぐっと伸びる時期、夏野菜を畑に植え出す時期、霜が降りないように、願います。
でも、降りたらどうするの?という疑問があると思います。
お茶畑の場合、防霜ファンがあるところは、それで防ぎ、防霜ファンがないところでも、霜の降りるところと降りない地形のところがあるので、降りたところは、ダメージが回復するまで、置いておく(一番茶は刈れない) 二番茶から刈りだす。
夏野菜の場合は、なるべく5月になるまでは畑に植えずに、ハウスで育苗しておく。早く植えた場合に霜注意報がでたら、ビニールなどでトンネル被覆するなどです。
個人的は3番の答えも、いいのではないかと思いますが。
実際はそんなことしてる人を見たことありませんが。